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ストーカーの分類
ストーカーはその動機・形態・スタイルによって、対策方法が違ってきます。
そのためストーカーに対して誤った認識・極端な感情論で一方的に自己対策を行うと、かえって状況が悪化する可能性があります。したがって慎重に分析する必要があります。
タイプ
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解説
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A:恋愛ストーカー
(復讐ストーカー)
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最も多いストーカータイプ。
恋愛関係がもつれたり、会社や学校でのイジメ、
不条理な解雇・いやがらせなどにより生じた「緊張状態」を発端とし、
その報復・復讐の手段としてイタズラ電話・住居への汚損・破壊などを行う。
(特徴)
・行為そのものが秩序的である
・計画性があり、かつ行為に手加減がみられる
・スクリーニング調査※を行うと、かならず犯人像が浮かび上がる(緊張状態の存在)
※「スクリーニング調査」:調査対象者の条件抽出をするために、本調査に先駆けて行う事前調査。例
えば、「30代 技術職 年収600万円以上」という条件を満たす男性を本調査の調査対象としたい場
合、一般男性の中からその条件を満たす男性を選び出すために行う調査などを指す。
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≫対策 |
⇒精神的あるいは気質的な問題(症状)が 犯人には ほとんど見られない為、
第三者による積極的な犯人への接触が可能。
原因となる事象が判別しても、
被害者自身は「自己の責任を頑強に否定する」傾向が極めて強く、
被害者と犯人の接触は好ましくありません。
双方が感情的主張で心が満たされていますから、
中道的な第三者を介在させての粘り強い和解交渉によってのみ解決に到ります。
(間違ってもどちらか一方を味方する調停者であってはなりません。)
万が一、このタイプの犯人が刑事事件として立件された場合、
法廷では周囲の者や検察官でも知らなかったような被害者自身の重過失が暴露され、被害者の損害は拡大する一方ですから、極力公権利用は慎重に行ってください。
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B:妄想ストーカー
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一番有名なストーカータイプでありながら、もっとも少ないストーカータイプ。
犯人には認知障害・気質的偏差・脳波の異常のいずれかが医師によるファーストイン
プレッションの段階で確認される。年齢的な傾向は妄想ストーカーに関して資料が少な
すぎるため明確な分析はできないが、精神科医によれば男女を問わず30歳頃から妄
想分裂に起因したストーカーが散見されるという報告がある。
(特徴)
・2〜3ヶ月かけて徐々にエスカレートし、突然 ストーキング行為そのものが消滅する
・無秩序で、手加減がない
・ストーキングにムラがあり、3日以上の休止期間が入ったりする
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≫対策
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⇒もはや狂人であるため、素人による問題解決は困難である。
警察に届け出ると共に、弁護士に相談しつつ、逃走経路の足取りを遮断しながら逃 げるしか方法はない。
なお、恋愛・復讐ストーカーと異なり、投薬治療により完治する可能性が高く、
一度指定病院に入院すれば、退院後の報復の可能性はおおむね低いと思われる。 (※プライバシー保護の観点から、公式の根拠資料が存在しない為、精神科医の経 験則に基づく)
妄想ストーカーは被害者へのストーキングに到る前に、
あらゆる行為によって警察にマークされていることが多く、証拠資料の存在がきわめて有効ですから、音声・物証は大切に取り扱ってください。
さらに、被害者にはあらゆる法的擁護措置が整備されつつありますから、
積極的に活用することをお勧めします。
なお、あたりまえのことですが、
恋愛・復讐ストーカーは知的な正当性を持っているため、この妄想ストーカーと混同して処理することだけは絶対に避けねばなりません。
そうした場合、致命的な被害の拡大に直結するからです。
(むしろ恋愛・復讐ストーカーを入院させるなど、相手に心神耗弱による殺人特権を与えるにほかなりません)
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C:タレントストーカー
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妄想ストーカー(上記B)と混同されやすいストーカータイプであるが、
「流動的な妄想」と「確信的希望」がそれぞれにおいて明確に分離されていると
いう点で異なる。
タレントストーカーと言うと有名人が被害者と思われがちだが、ここでのタレントの意味
は「希少的存在」の意である。
したがって、オフィスやサークルなどの閉鎖的環境や、男女比率が著しく偏った職場・
学校で「目立つ人」が対象となる。
行為者の根底心理としては、被害者への接近意欲に対しての強力な「希望達成精神」
が根づいており、哲学的にその希望・目的へのイメージ(はんすう)を繰り返すことで、
より一層 希望達成への欲求と確信に近づこうとする。
なお、この時期の行為者は精神医学的にボーダーライン症例(偏執気質・てんかん気
質)が表面化している場合が多いと考えられる。
(特徴)
・ほとんどの行為者はストーキング開始段階で「自分であること」を名乗る
・逆に言えば明確に行為者が特定されている場合、このタイプを疑うべきである
・行為者からの要求が単刀直入・明確すぎる為、
刑法上の犯罪要件を構成しえない場合が多い
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≫対策
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⇒この段階で行為者の行為は、
「生活スタイルへの干渉」や「論理的な口出し」「ファッションへの要求」など、
あたかも犯人が被害者を独占したかのような言動が目立つ。
被害者にとっては鬱陶しい事この上ないが、それがやがて要求内容自体にエスカレ ートがみられるようになり、終盤になってはじめて被害者が恐怖感を持つレベルに達
する、という経過をたどる。
後に恋愛・復讐ストーカーに転じる可能性の強いストーカータイプではありますが、
初期の段階できっぱり「干渉しないで」と犯人に伝えることができれば、
エスカレートすることはありません。
芸能人の場合はそれもできませんから、セキュリティコーディネーターに依頼してガードを固めれば、ある程度被害を最小限に抑えることができます。
また職場の同僚やクラスメートの場合は、
犯人が信頼している人(一目置いている人)に相談し、
犯人・被害者 双方へのアドバイスを行ってもらえるよう努力してください。
なお、このタイプは名前が判っているぶん、
安易に犯人に強制力を持つ人に相談したり、警察に届けたりしがちですが、
受理されにくいばかりか、これが行為者本人に知れると恋愛・復讐ストーカーに転じる事は免れない為、相応の覚悟が必要であることを忘れないでください。
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D:職業ストーカー
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いわゆる「パパラッチ」と呼ばれる芸能スクープ集団がこれに該当する。
また、借金の「取立屋」も同じく職業ストーカーと考えてよい。
もっともメッセージ性・目的共に明確な職業であり、
ストーキングされる側に同等の要因が存在する。
(特徴)
・被害者自身がストーカー行為をされる理由をもっともよく理解している場合が多い
・ストーキングの結果が被害者自身および社会的に反映される
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≫対策
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⇒芸能人であればセキュリティコーディネーターに依頼しその対策とするのが良いが、
筆者(注:山崎氏)の経験上、コーディネーターのアドバイスを守る芸能人は少なく、 騒ぎになってからあわてて泣き付いてくるプロダクションやマネージャーが多いようで
ある。
予防措置がもっとも重要であり、
周囲の人も積極的に注意を喚起する姿勢が大事です。 |
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